4分で読めます
ファッションのマイル設計例 — 年3回しか買わない人に、どう1年で届かせるか
業種別の設定例、4回目はファッション・アパレルです。
この業種では、購入回数が大切です。年3回しか買わないお客様に、1年以内に届く交換先をどう用意するか。ここが設計の要点です。
この業種の前提
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 平均注文額 | 8,000円 |
| 粗利率 | 55% |
| 購入頻度 | 年3回(季節ごと) |
① 還元率
粗利率55%なので上限は2.75%。余裕を持たせて、2.5%にします。
1回8,000円の購入で、400マイル。1マイル = 0.5円です。
② ここで問題が起きます
年3回の購入だけでは、年間で1,200マイルしか貯まりません。
一方、入口は客単価の10%が目安です。客単価8,000円なら入口は¥800、必要なマイル数は1,600マイルになります。
つまり、年間に貯まるマイルより、入口に必要なマイルのほうが多くなります。有効期限を1年にすると、購入だけではいつまで経っても届きません。
解決方法は2つあります。
- 入口を下げる — ¥600(1,200マイル)にすれば、ちょうど1年で届きます
- 年間の獲得を増やす — 繰り返しミッションを追加します
この業種では、2を選びます。理由は次のとおりです。
③ 繰り返しミッションで補う
アパレルでは、購入以外にも、お客様にやってもらう価値のある行動があります。
| 種類 | ミッション | マイル |
|---|---|---|
| 一度きり | 会員登録 | 300 |
| 一度きり | サイズ・好みの登録 | 300 |
| 繰り返し | 商品レビュー(年2回) | 150 |
| 繰り返し | 着用写真の投稿(年2回) | 200 |
繰り返しミッションから年間700マイルを獲得できるため、年間の獲得は1,900マイルになります。
これなら、1,600マイルの入口に1年以内に届きます。
着用写真のミッションを入れるのには、マイルを貯めてもらう以上の理由があります。サイズ感への不安が、この業種で大きな購入の壁になるからです。他のお客様の着用写真があれば、実際に着たときのイメージを持ちやすくなります。
サイズ登録も同じです。集めた情報を、次の提案に活用できます。
④ 交換先
| 段 | 必要マイル数 | 中身 | 条件 |
|---|---|---|---|
| 低 | 1,600マイル | ¥800 OFF | なし |
| 中 | — | (置かない) | — |
| 高 | — | 先行公開・スタイリング相談 | 最低ステージで開く |
中段は置きません。
年間1,900マイルしか貯まらない店で2段目を作ると、誰も届かない段ができてしまいます。
届かない段は、置いても存在しないのと同じです。段を増やすより、まずは1つの交換先に確実に届く設計にします。
⑤ ステージと限定枠
| ステージ | しきい値 | 到達 |
|---|---|---|
| ブロンズ | 0 | 全員 |
| シルバー | 2,500マイル | 約1.3年 |
| ゴールド | 6,000マイル | 約3年 |
限定枠に置く特典は、この業種なら明確です。
- 新作の先行公開 — 季節商売なので、「先に見られる」ことが強く効きます
- サイズ・着丈の個別相談 — 返品率が下がるため、店にとってもメリットがあります
- セール前の優先案内
季節ごとに商売をする業種では、タイミングそのものが特典になります。
⑥ この業種で見る数字
季節性があるため、月単位だけで見ると判断を誤ります。
- 前年の同じ季節と比べる — 8月の落ち込みは、必ずしも異常ではありません
- 着用写真ミッションの達成数 — 伸びない場合は、投稿のハードルが高いか、マイルが見合っていない可能性があります
- 最終活動日から6か月を超えた会員 — 2シーズン飛ばしている状態です。次の新作案内が、最後の接点になります
まとめ
ファッションでは、購入回数の少なさが最初の壁になります。入口を1,600マイルにするなら、繰り返しミッションで年間の獲得を1,900マイルまで増やす必要があります。
そして、無理に段を増やす必要はありません。1段+ステージで十分です。