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食品・飲料のマイル設計例 — 教科書どおりに効く、唯一の業種

業種別の設定例、2回目は食品・飲料です。

この業種は、マイル制度が教科書どおりに機能しやすい業種です。購入頻度が高く、単価も手ごろで、購入するかどうかを迷う時間も短いからです。

一方で、同じ理由から他店との差がつきにくい業種でもあります。最後に、その理由を見ていきます。

この業種の前提

項目 値
平均注文額 3,000円
粗利率 40%
購入頻度 年12回(月1回)

数字は仮のものです。自分の店の数字に置き換えてください。

① 還元率

粗利率が40%なので、上限は粗利率×5%で2.0%です。ここでは、上限いっぱいの2.0%にします。

食品・飲料は購入頻度が高いため、1回あたりの還元額が小さくても、年間で見ると差が出てきます。

付与率は100円で5マイルです。1回3,000円購入すると、150マイル貯まります。

還元率2.0%なので、1マイル = 0.4円です。

② ミッション

種類 ミッション マイル
一度きり 会員登録 100
一度きり アンケート 100
繰り返し 商品レビュー(年4回) 100

最初に獲得できるマイルは、合計200マイルです。

これは購入1.3回分にあたり、目安の1〜2回分に収まります。

年間では、購入で1,800マイル、レビューで400マイルを獲得できます。合計すると、約2,200マイルです。

③ 交換先

段 必要マイル数 中身 条件
低 750マイル ¥300 OFF なし
中 1,500マイル ¥600 OFF 最低利用金額 ¥3,000
高 — 送料無料 最低ステージで開く

最初の750マイルは、購入5回分です。

オンボーディングでもらえる200マイルを差し引くと、新規会員は実質4回の購入で届きます。月1回購入する店なら、4か月で最初の特典を受け取れる計算です。

中段の1,500マイルは、購入10回分です。月1回の購入なら、約10か月で届きます。

年間では約2,200マイル貯まるため、有効期限1年以内に確実に届きます。

送料無料を高段に置くのは、この業種では喜ばれやすく、原価も読みやすいからです。

④ ステージと限定枠

ステージ しきい値 到達
ブロンズ 0 全員
シルバー 2,500マイル 約1.1年
ゴールド 6,000マイル 約2.7年

限定枠に置く特典は、この業種なら次のようなものが考えられます。

  • 新商品の試食モニター — 感想が返ってくるので、原価以上の価値があります
  • 生産者とのオンライン交流 — 手間はかかりますが、月1件なら運用できます
  • 季節限定品の先行予約

⑤ この業種で見る数字

月1回購入する業種なので、購入間隔が空くとすぐに分かります。

  • 最終活動日が2か月を超えた会員 — 1サイクル飛ばしています。他店に移った可能性が高い
  • 交換者数 — 4か月で入口に届く設計なので、開始4〜5か月後になっても交換が出ていなければ、入口が遠すぎます
  • レビューの達成数 — 食品は写真つきレビューが次の購入者にも効きます

この業種の本当の問題

計算はきれいに当てはまります。問題は、その先です。

スーパーもコンビニもドラッグストアも、同じような仕組みを取り入れています。

月1回、数千円の買い物をして1〜2%のマイルが付く仕組みは、日本中にあります。そこに参加するだけでは、店のことを覚えてもらいにくいでしょう。

だから、この業種こそ限定枠に力を入れてください。

マイルの段階は、他店と同じでもかまいません。差がつくのは、生産者の話を聞けるか、新商品を先に試せるかといった、値引きでは代えられない部分です。

この考え方については、値引きではなく「つながり」を渡すと、スーパーの2つのやり方でまとめています。

まとめ

食品・飲料は、数字をそのまま当てはめやすい業種です。

粗利率40%なら還元率2.0%。入口は750マイルで、オンボーディング分を含めると実質4回の購入。中段は1,500マイルで、最低利用金額を設定します。

ただし、マイルの設計だけでは差がつきません。

この業種で重要なのは、限定枠に何を置けるかです。